保険外サービスで介護充実

「掃除サービスが父のベット周辺だけではなく台所、トイレ、浴室、廊下といった母の生活空間までカバーしてくれる。」看護師として働く女性は父の介護で利用する公的保険外の民間サービスについてこう話す。父は介護認定で要介護5と最も重い段階にあたる。40代から車椅子生活で要介護2だったが、今年7月上旬に感染症で約2週間寝込み、上半身の筋力が低下し、ほぼ寝たきりになり、要介護ではないものの心臓に不安のある母や近くに住むAさんの負担を考えて利用を決めた。

保険外では毎週木曜の午前9時から午後1時までスタッフがオムツ交換や洗浄、掃除などをする。木曜を除く平日午前や月〜金の午後に利用する介護保険では掃除が父のベット周辺にとどまる。掃除の対象範囲は本人が日常的に使用する場所に限られるためだ。

介護保険では65歳以上の人か40〜64歳で所定の疾病が原因で介護認定を受けた人が介護サービスを受けられる。要介護に応じて1ヶ月あたりの限度額が決まり、限度額の範囲で必要なサービスを組み合わせて利用する。利用者は費用の1〜3割を所得などに応じて負担する仕組みだ。
介護保険や保険外を問わず、訪問介護では掃除、洗濯などをする「生活援助」と食事や排泄などの介助をする「身体介護」の2つを主に提供する。ただ介護保険はあくまで本人の日常生活で最低限必要なものが対象だ。

例えば掃除では大掃除や庭の草むしり、ガラスふきは対象外だ。洗濯や調理は本人分のみで、同居する家族のための家事は原則認められない。身体介護も最低限必要かどうかが目安。散歩の介助や趣味の例えば人形作りを一緒にすることは保険外だ。通院でも自宅と病院の往復の介助は介護報酬の算定対象だが、病院内の付き添いは原則含まれない。院内は医療保険に該当するためだ。

保険外サービスの費用は配食を除き、時間単位で決まるのが一般的。事業者や地域で異なるが、平日の日中利用で1時間あたり3500円程度から5500円程度の例がある。全額が自己負担になるため、サービス内容と価格を事前によく確認し、複数の事業者を比較することが大切だ。

民間企業以外で高齢者向けサービスを低価格で提供するところがあることも知っておきたい。非営利組織で市区町村に設置されている社会福祉協議会や都道府県の指定を受けた社団法人のシルバー人材センターだ。社協では掃除、洗濯などの家事支援や通院などの外出介助をする例が多い。料金は家事支援で1時間700〜1000円が一つの目安だ。

介護全般を色々考えながら、補完的なものとして活用していければと思う。

(参考 日経新聞 令和7年9月6日より)