農機自動運転、公道可能に

皆さんも見たと思う「池井戸潤」原作の『下町ロケット ゴースト編』自動運転トラクターにかける想い、テレビを拝見して熱くなりました。そんなトラクターの自動運転ですが、また、一歩前進したという内容となります。

政府は自動運転の農業機械の普及を環境整備で後押しする。無人での稼働は現在は、圃場内に限られる。新たに圃場間や格納庫と圃場の間の公道や農道を自動運転で動かせるように指針を改める。米の増産への転換に向けた生産性の向上策と位置付ける。

農林水産省が2026年度までに「農業機械の自動走行に関する安全性確保ガイドライン」を改正する検討に入った。農家がモニターなどを用いて遠隔で監視しながら、圃場間の行動などを自動運転で移動する際の安全性の確保策を盛り込む。

25年度に実証実験を始めた。第三者の侵入や他の有人機の接近時の対応、緊急停止後に再稼働する際の周囲の安全確認方法といった技術的な課題を検討する。
同ガイドラインは17年に策定し、改正を重ねてきた。自動運転での圃場内の移動を巡り、目視による監視下でのトラクターや田植え機、コンバインなど6種類の指針を示したほか、24年の改正でトラクターなど2機種については遠隔監視ルールも定めた。

今回の検討は政府の規制改革推進会議が後押しする。5月にまとめた答申では、無人で自動走行する「ロボット農機について農場や公道でも走行を可能とする必要がある」と記した。
国土交通省は2月、農機にも自動運転装置を備えられるよう道路運送車両の保安基準を改正した。警察庁は自動運転農機の公道走行に必要な手続きに関し、交通量が少なく短時間である点を踏まえ、農家の負担が最小限になる運用方法を検討する。

日本の農業は担い手の確保が課題だ。農業を主な職業とする基幹的農業従事者数は24年に前年比4%げんの111万人になった。平均年齢は、69.2歳。65歳以上が占める比率は約7割に達しており、42年には30万人にまで減ると見込まれる。

米は作付面積が大きくなれば生産効率が高まる典型的な作物だが、日本の場合は、15ヘクタールを越えるとコストが下がりづらい。圃場が細切れに分散し、農機の移動に手間がかかるのは一因だ。自動運転のによるコストの低減効果を広く発揮するには、圃場間などの移動も農機に乗り込まずにこなせるようにする必要がある。

石破首相は、米に関する関係閣僚会議で、米の生産量の不足が価格高騰を招いたと分析し、「増産に舵を切る」と明言した。その手段として「農業経営の大規模化・法人化やスマート化の推進などを通じた生産性の向上」に言及していた。

今後、議論が深まることを期待していきたいと思う。

(参考 日経新聞 令和7年8月19日より)