厚生労働大臣は都道府県ごとに決める2025年度の最低賃金の全国加重平均が1121円になったと発表した。24年度より66円の上昇で過去最大となる。隣県の引き上げ競争が激化し、39都道府県で国の目安を超えた。中小企業には経営の重荷となる。準備期間を確保するため発行日を遅らせる動きが相次ぎ、6件で年を越える。
石破首相は「賃上げが成長戦略の要という基本的考え方が浸透し着実に成果をあげている」と述べた。39都道府県で国の「目安」を上回り、全都道府県が1000円を超えた。最高額の東京は1226円、最低額は高知、宮崎、沖縄の1023円だった。最高額に対する最低額の比率は83.4%で24年度より1.6ポイント上昇した。改善は11年連続だ。
引き上げ額が最大なのは熊本で82円、隣県の大分県で81円で続いた。24年度に最下位だった秋田は80円引き上げる。国の目安を16円上回る1031円にすると決めた。県は一定額以上の賃上げをする企業への支援金を検討する。
大幅引き上げに踏み切る背景には全国最下位を回避したいとの思惑が透ける。隣県でバイト先を探すといった人材流出への懸念もある。秋田県知事の鈴木知事は「事業者の生産性を上げる支援があるべき姿だ。直接賃上げへの支援はいつまでもできることではない。」と語った。
例年は大半が10月発効だったが、25年度は20都道府県にとどまる。11月が13府県、12月が8県で、福島、徳島、熊本、大分は26年1月、群馬と秋田は同3月に発効する。3月発行は半世紀ぶりだ。
最低賃金を決める各地の審議会で、経営者側の委員ができるだけ遅くするように求めたためだ。早期に引き上げると年末にかけて「年収の壁」を意識した就業調整が拡大しかねない。賃上げ原資になる補助金など行政から支援策を待てるという事情もある。労働側の委員も大幅な引き上げを勝ち取るための譲歩材料とした面がある。
(参考 日経新聞 令和7年9月6日より)
最低賃金発効「年越し」6件
