結婚式場を運営する八芳園(東京・港)は9月17日、10月に改装開業する同名の本館(同)を公開した。宴会場を拡張し、大型スクリーンを新たに設置。国際会議や展示会などの法人需要を取り込み、2030年9月期に非婚礼事業の売上高比率を6割へ引き上げる。婚姻数が減少するなか、業界では法人獲得に向けた改装が相次ぐ。
「婚礼依存型の事業モデルからの脱却が着々と進んでいる」八芳園取締役の関本総支配人は17日の内覧会でこう述べた。改装の狙いは結婚式以外の需要取り込みだ。法人によるMICE(国際会議や展示会)を念頭に、本館の5〜6回をリニューアルした。6階は従来3部屋に分かれていた60〜100人収容の宴会場を1つにし、収容人数を300人に拡大した。同程度の大きさの会場を設けた5階にはプレゼンテーションで使うはば20メートルのスクリーンを設けた。
八芳園が2月に始めた法人向けサービスの会員が利用できる。現在の会員数は約20社で、年内にはさらに120社が参画する予定だ。同社は足元で売上高全体の3割にとどまるMICEなど非婚礼事業を、6年後に6割にする計画。30年9月期にはグループ全体の売上高を24年9月期比37%増の130億園にする。転換の背景には婚礼市場の縮小がある。経済産業省によると、国内の結婚式場の取扱件数は24年に6万3190件と19年から約3割減った。八芳園が年間に手掛ける婚礼数は10年9月期の2311件をピークに減少傾向が続く。一方でMICE市場は活況だ。米調査会社グランド・ビュー・リサーチによると、世界のMICEの市場規模は30年に24年比7割増の1兆4669億ドル(約216兆円)に拡大する見通しだ。
競合も法人需要の取り込みに動く。AOKIホールディングス傘下のアニヴェルセルは23年に東京・表参道、24年に横浜市の式場を改装した。披露宴会場を婚礼以外でも使いやすい内装に変更した。ノバレーゼは一棟貸し切りで大きな窓がある強みを生かし、ファッションブランドなど「特別な空間を探している企業から引き合いが多い」
(参考 日経新聞 令和7年9月18日より)
結婚式場 法人と良縁を
