特区民泊 狭まる受け皿

都市部で民泊を規制する動きが広がってきた。大阪市は9月30日、国家戦略特区法に基づく「特区民泊」の新規申請の受け付けを当面停止する方針を示した。東京でも一般的な民泊の規制が広がる。訪日客の受け皿として定着してきたが、住民とのあつれきを背景に規制緩和が逆回転している。

特区民泊の94%が集中する大阪市は30日、部局横断の検討会で対応方針をまとめた。11月にも開く政府の国家戦略特別区域会議で提案する。すでに申請を検討中の事業者がいることも踏まえ、一定の周知期間を設ける。

既存施設については、運営が不適切な場合の業務停止命令や認定の取り消しまでの手順を11月にも明確にする。苦情の発生時には指導を徹底する。従わない事業者には改善命令や認定取り消しなどの処分を実施する。

特区民泊は指定地域で宿泊施設の開業・運営規制を緩和する制度。ホテルや旅館と比べて参入障壁が低い。通年営業が可能で、大阪市に加え東京都大田区、千葉市、新潟市、北九州市、大阪府、八尾市、寝屋川市の計8自治体で営業している。

大阪市は宿泊施設不足と訪日客の急増が重なり、開業が集中。騒音やゴミなどの苦情も増え、2024年度に受けた認定施設に関する苦情は399件と最小だった21年度の4倍以上になった。懸念の声は近隣自治体でも高まっている。大阪府が30日に公表した意向調査などによると、全域での特区民泊の停止を希望するのは中核市の寝屋川市を含め28市町村に上った。

千葉市、新潟市、北九州市は日本経済新聞の取材に、現状では目立ったトラブルは発生しておらず制度見直しは検討していないと回答。大田区も見直しは考えていないが「特区民泊のイメージが悪くなっており、近隣住民向けに配ったビラなどに対する問い合わせは増えている」という。

(参考 日経新聞 令和7年10月1日より)