「労働力人口の2%」の潜在力

共働きが多数派の今も専業主婦は少なくない。2024年時点で約500万人。そのうち就業希望者は100万人を超え、労働力人口の2%に迫る水準だ。専業主婦の視点に立った就業支援とは何か。人手不足とされる中、貴重な人材を生かすためにも、働きたい人が働きやすい施策を考える必要がある。

総務省「労働力調査」によれば、24年の専業主婦は約508万人。共働き女性の4割程度だが絶対数は決して少なくない。大阪市と名古屋市の合計人口に匹敵する規模だ。さらに注目すべきは労働市場への潜在的な影響力だ。ほぼ5人に1人、約103万人の就業希望者(失業者含む)は「労働力人口の2%弱」(大和総研の是枝主任研究員)に相当する。

24年、共働きで雇用者として週35時間以上働く女性は約547万人、同1〜34時間でも約676万人。100万人級の労働者が持つ影響の大きさは明白だ。専業主婦は64歳以下の生産年齢人口が約8割を占める。人手不足が深刻な今なぜ、就職できないのか。東京大学の近藤教授は「家庭状況の要因が大きいのでは」とみる。23年の経済協力開発機構(OECD)調査によれば、日本の女性が担う家事・育児などの無償労働時間は男性の5倍弱。欧米主要国の2倍前後に比べると偏りがある。この負担が就業への大きなハードルになっているとの見方だ。

一方、是枝氏は「非正規でしか就業できないなど条件が悪い中では、あえて働こうとしない層もいる」と推測する。確かに専業主婦にとって正規雇用獲得は容易ではない。女性の正規雇用率は20代後半をピークに下落する「L字カーブ」が根強く残る。

共働きのパート女性などに比べ、就業希望がありながら働けない専業主婦への就業を支援する策は限られる。改めて実情を総点検し、施策を考える必要が高まっている。

(参考 日経新聞 令和7年10月7日より)