三菱電機、最高益下の希望退職

三菱電機が最高益が続く中で希望退職募集に踏み切る。阿部最高人事責任者が(CHRO)が日本経済新聞のインタビューに答え、現在進めている事業構造改革を前提に「柔軟に進めるには、明らかに高齢化が進んでいる現在の人員構成では難しい」と述べた。機器を売る従来型ビジネスからの脱却に向け、53歳以上が4分の1を占める人員構成の解消につなげる。

三菱電機は9月8日に53歳以上の正社員や定年後再雇用者を対象に希望退職を募集すると発表した。通常の退職支援制度を拡充し一時金を加算する特別措置などを導入する。同社は売上高8000億円分の事業について2025年度中に撤退も視野に成長性や収益性を見極める方針を掲げている。阿部氏は「人の再配置を伴う事業変革を進めている。リスキリングや再配置だけでは間に合わない。短期施策として必要と判断した」と説明した。

希望退職は業績不振などを理由として人員の削減目標を定めることが一般的だ。今回、三菱電機は募集人数を定めない。阿部氏は「目標ありきでは納得感が得られない。応募状況は日々確認するが200人になるか500人になるかわからない」と話した。三菱電機は26年3月期に3期連続で過去最高益を見込んでいる。「好業績でなければ退職金加算に必要な原資も用意できない。『何より調子が悪いから切る』と取られ狙いが伝わらなくなる」と強調した。

退職金の加算額は非公開だが、電機業界に限らず他社事例を調べて勤続年数などに応じたテーブルを用意した。「加算額が給与1年分では足りない。貢献してきてくれた方々がご家族も含めて安心感を持って次のキャリアに踏み出せる水準が必要だ」と述べた。

条件に当てはまる社員は三菱電機単体の従業員約4万2000人のうち約1万人。募集期間は25年12月15日〜26年1月9日に設定するものの「1万人全員が辞めてしまっては事業が立ちゆかない。状況を日々確認して(募集の)早期の終了もあり得る」という。三菱電機は働き手が自身のキャリアを会社に任せず考えて行動する「キャリアオーナーシップ」を重視している。漆間社長は4月1日の入社式で、新入社員に対して「他の会社に行き、やはり三菱電機がいいと思って戻ってくる方もウェルカムで迎える」と伝えた。

最高益に沸く企業が多い中、三菱電機のように、早期退職金等に充てる資金とすること企業が増えていくことが予想される。最高益と安心している社員の方が、急に早期退職を勧奨されることがあるかもしれない。リスキリングとあったが、自分の第2の人生のための勉強も必要なのかもしれない。ある程度、最悪を想像しながら、自分の人生をどう描いていくかを考えていかなければならないかもしれない。

(参考 日経新聞 令和7年9月23日より)