最長の黒潮大蛇行 終息

ここ最近のニュースでスルメイカが例年より豊漁となっているとあった。また、秋刀魚も多く取れており、漁獲制限があることから一部制限されているとのことであり、これも本記事の影響からなのかもしれない。生魚を食べる文化は日本独特であり、旬の素材を安く、美味しくいただきたいものだ。今年の秋刀魚は、炭焼きにして食べたい。

黒潮は九州から関東にかけて日本列島の南を沿うように西から東へ流れる暖流だ。紀伊半島付近で大きく南に曲がる大蛇行は気象庁の記録が残る1965年以降、計6回発生している。今回は2017年8月に発生し、これまで最長だった4年8ヶ月(1975〜80年)を大きく上回った。

研究では、過去と比べて黒潮の流れが弱かったため終息までに時間を要した可能性が高いという見方もある。
近年相次ぐ豪雨や高温などの異常気象はこの大蛇行が一因との指摘もある。東北大の杉本准教授らの研究チームによると、関東・東海地方の沖合の海水温が3度ほど上昇し、水蒸気の発生量が増えて大気が不安定になり大雨や高温をもたらした。
関東・東海地方の雨量は平均より2〜5割増え、2021年の静岡県熱海市の土石流災害を起こした豪雨の要因にもなったという。

海水温などの海洋環境の変化はとれる魚の種類や漁場の位置など漁場の位置など漁業にも大きな影響を及ぼした。最も打撃を受けたのは「世界三大漁場」の一つとされる三陸沖だ。
24年までの5年間で漁獲量は青森県27%減、岩手県21%減、宮城県17%減に及んだ。三陸沖は本来、暖流の黒潮と栄養豊かな韓流の親潮がぶつかる潮目で多様な魚が集まる場所だが、今回の大蛇行では房総半島沖から東へ向かうはずの黒潮が極端に北上する現象が起きた。大蛇行が長期化したときに発生しやすいとされる。
「まだ親潮の勢いが弱く以前の潮目に戻ったわけではない」とするが、25年上半期のスルメイカやマイワシの漁獲量は三陸や常磐沖を中心に前年を上回るなど「今後に期待できる兆しは出ている」

大蛇行の解消は秋の味覚の代表である秋刀魚の資源回復につながる可能性も指摘されている。
これまでの研究で、蛇行のメカニズムは徐々に解明されつつある。九州の沖合で発生した小さな蛇行が徐々に東に移動し、伊豆諸島沖にある海底山脈によって大蛇行となる。ただ現状の技術では予測できるのは1〜2か月先の見通しにとどまる。

(参考 日経新聞 令和7年8月30日より)