5年に1度の国勢調査が始まる

今年は5年に一度の国勢調査の年だ。国内に住むすべての人を対象に10月1日時点の人口、就業形態、世帯類型などを調べる。数ある統計調査のなかでも最も重要で、結果は政策立案の基本データになる。

初回調査は第一次世界大戦後の1920年(大正9年)。前回2020年調査は開始から100年の節目だったが、コロナ禍中とあって調査員が対象者と対面できず、インターホン越しになることがままあった。調査票を回収できなかった世帯には、国勢調査令に基づき近隣の人などから調査員が基本項目を聞き取る。全回答の16.3%はこの聞き取りだった。

コロナが終わったが、オートロックマンションに住む人の増加といった従来の障壁に加え、共働きの普及に伴う昼間の不在世帯の広がりなど、国勢調査が対象とする人口構造の変化自体が、確度の高い悉皆(しっかい)調査を難しくしている面がある。

そこで総務省統計局が力を注いでいるのがインターネット回答だ。外国人向けには7つの言葉で対応するなどデジタル化に懸命になっている。若い世代を意識しXなどでも情報発信している。単身世帯なら5〜10分でスマホから回答できる。高齢者向けには入居施設の職員に調査員になってもらったり、郵便局に回答ブースを設けたりする。

前回の結果で衝撃的だったのが生涯未婚率(50歳時未婚率)が男性28.3%、女性17.8%に急伸した事実だ。コロナを経て未婚者はさらに増えたと想定される。際限なき少子化の進行を止められるか、異次元対策の中身が問われる。若い女性の東京集中と地方圏に独身男性が残される傾向はよりくっきり出るだろう。

(参考 日経新聞 令和7年9月21日より)