遺言以外の相続を実現する法的手段(遺言その3)

先回まで遺言について話してきましたが、遺言以外での手段がありますので、今回はそれについて解説していきたいと思います。3つ解説していきますが、時間軸がそれぞれ違うことので注意してください。
1 任意後見契約
2 死後事務委任契約
3 尊厳死宣言

1 任意後見契約
 本人に判断能力がある時に、将来、判断能力が不十分な状況になった場合に備えて、自己の生活、療養看護及び財産管理に関する事務を委託し、代理権を付与する契約という。任意後見契約は公正証書で締結しなければならない。
 本人の弁識能力が不十分(認知症となったりしてボケてしまうこと)になると、本人、配偶者、4親等内の親族、任意後見受任者が、家庭裁判所に任意後見監督人の選任を請求し、家庭裁判所がこれを選任すると、任意後見契約の効力が発生し、受任者が任意後見人になる。これを任意後見という。
2 死後事務委任契約
 自己の死後の事務について、生前に信頼できる第三者に委任する契約である。死後事務とは、通夜、告別式、火葬、納骨、埋葬に関する事務、永代供養に関する事務、老人ホームの入居一時金等の受領事務などが挙げられる。
 死後事務委任契約は、任意後見契約、遺言と併せて、公正証書で作成される場合が多い。
3 尊厳死宣言
 尊厳死宣言とは、医療従事者や家族に、回復の見込みのない末期症状に至った場合に、現代医学と科学技術がもたらした過剰な延命治療を差し控え、死期を引き延ばさず、人間として尊厳を保ちつつ死を迎えることを依頼するものです。これを公正証書にすることで、自己の意思が明確になり、医療従事者や家族が、その意思に従った措置をとりやすくするものです。

このように遺言の他にも契約等を結ぶことにより、意思を尊重させることができます。遺言やこういう契約は、今後、便利になったり、増えていくことも考えられます。自分がどうしたいかをよく考えて見てください。